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第二話 出会い

작가: 文月 澪
last update 최신 업데이트: 2025-12-06 17:54:42

「皆、席に着け〜。転校生を紹介する」

そう言って担任の元木先生が出席簿を教卓に叩きつけ注目を促した。

ざわついていた教室は一旦は静まったが、しばらくするとコソコソと囁き合う声がそこかしこから上がり、黒板前に立つ少年に視線が集まる。

短く切りそろえた赤茶けた髪とくるくるとよく動く大きな鳶色とびいろの瞳が利発そうな印象を与える少年だ。身長は高く、百八十センチ前後くらいだろうか。半袖のシャツから覗く腕は逞しい。

「あー、宮前みやまえりつ君だ。京都から引っ越してきたそうだから色々教えてやってくれ」

元木先生が顎で合図を送ると隣に立つ少年は元気に挨拶する。

「宮前律です! どうぞ仲良くしてやってください!」

そう言って直角に頭を下げると、すぐに上体を起こしにっこりと笑った。

そんな人好きのする律の笑顔に教室は歓迎の拍手に包まれる。

「席は……、小堺の後ろが空いてるな。あそこを使ってくれ」

元木先生が指示すると、律は「はーい」と手を上げて軽い足取りでトテトテとこちらに向かってくる。

――人懐っこい大型犬のような奴だな。

それが律に対する第一印象だ。

明らかに自分とは属性の違う律に優斗は警戒心を持った。

「よろしく」

律は優斗の前で足を止めると声をかけてきたが、それに無言で返す。

軽く肩を竦めると、律はそのまま後ろの席に座った。

それからHRが始まる。

内容は委員会のお知らせや、クラブ活動の事。それから町に猪が出たから注意するようにという内容だ。転校生以外はいつもの何でもない話で終わった。

元木先生が教室を出ると途端に騒がしくなる。

律の元に生徒達が集まってきたのだ。

閉鎖的な町ゆえに、外から来た者が珍しいのは分かるが、優斗の席まで押しやられるのはたまったものではなかった。じろりと睨むが、皆転校生に夢中で気付きもしない。

どこから来たの?

どうして来たの?

今はどこに住んでる?

親は何してる?

兄弟はいる?

彼女は……。

矢継ぎ早に投げかけられる質問に律はひとつひとつ笑顔で返していた。

自分にはできないなと半ば呆れ顔でその様子を眺める。

――はぁ、うるさい。静かに過ごしたいのに、どこか他所でやってくれ。

そう思うも、物珍しい転校生に熱気は収まる気配がない。

優斗はわざと聞こえるように溜息を吐き、大きな音を立てて椅子を引くとズカズカと教室から出て行った。普段は温厚な優斗の行動に皆が一様に息を呑んだが、それも一瞬の事で、すぐさま質問責めは再開される。

しかし、律は足早に出て行く優斗の背中を興味深く見つめていた。

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